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あらすじ
都会の昼下がりの公園。
一人の女が本を読んでいる。そこに子供連れという買い物帰りの女、ティッシュ配りのプータローの女が現れる。 見知らぬ3人の女が、公園というおおやけの場所でたまたま出逢い、ことばを交わし、お互いの触れられたくない部分を暴きあい、ののしりあい、そして共感して、あるものを目指し向かっていくが・・・。
「男に出来ないことを私はやっている」
3人のダメな女が暴走し、泣き、笑い、しゃべりまくるジェットコースター・コメディ。
書き下ろし
みやなおこが上杉祥三に
「女の芝居を書いて欲しい」 と頼み、
DONNA・DONNAのために書き下ろした新作である。 ちょうど上杉氏に第一子が生まれたばかりで、それがきっかけでこの物語が生まれた。

[STAFF]
照明◆黒尾芳昭(アザ-) 舞台美術◆箕田英二 舞台監督◆村岡晋 音響◆伊東庄司
衣裳◆近藤由加 諸橋孝行(rhythm) 衣裳協力◆rhythm
舞台監督助手◆青木玲子 演出助手◆荒井伸子 成瀬有征(劇団インベーダーじじい) 上田房子(劇団MCR)
スチール◆中村龍生 宣伝美術◆ホセ赤目 logoデザイン◆宮内香峰子
制作◆ネルケプランニング 制作協力◆馬場敦子

[協力]
アン・ヌフ ㈱サンミュージックプロダクション ラブライブ ㈱リコモーション ㈱キューブ アザー 劇団そとばこまち BQMAP オフィスコットーネ

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公の園◆DONNA・DONNA旗揚げ公演
[出演]
神保美喜 /
みやなおこ / 竹内順子
KONTA(演奏)
[作/演出]
上杉祥三
[音楽] KONTA
[TOKYO]
新宿THEATER/TOPS
2002年2月21日(木)~26日(火)

上杉祥三(作・演出)
女だけの戯曲を書いてみたくなった。
現代の日本において、子供を産み育てた母親、それ以上の修羅場を経験したものが、そんなすごいことをした男が果たして何人いるだろうか。 そんな疑問が生まれたからである。 いうまでもなく修羅場はドラマの題材になる。 ところが残念なことに、女性にとっては人生のルーティーンである出産と子育てなのだが、それに匹敵するほどの修羅場を男は現代社会で経験できなくなっているのである。
今、男でしかできない仕事がいくつあるだろうか。 車の運転もセールスもデスクワークもノウハウさえ知れば女性のほうが勝っていたりする。 かつて女性にできなかったのは、男たちが男社会をつくるため女性を洗脳してきたからだ。 洗脳が取れた女性は怖い。 天皇だって女性でいいという風潮までうまれてきた。 もはや男に残された男っぽい職業は引越しやくらいだろうか。 極論だが、戦争があったからこそ男がドラマチックな男足りえたんだろう。 ……男を戦地に送り出す妻と姑。 父の軍服姿をみながらじっと唇をかむ幼き子…。 もう二度と会えないかもしれない。 これだけで僕など泣いてしまうのだ。 軍服の父が主役のドラマはすぐ浮かぶ。 憲法第九条を変えない限り、日本に男のドラマは生まれにくいのかもしれない。

そんな訳で今は女性を書きたいのである。
ところが、昨今、子供を宿すことを神から授かった女性が、それを放棄することが当たり前となっている。 親ですら娘に意見しない。 あなたもそろそろと言うと 「うるさいな母さんは、私、あんたに迷惑かけた? 時代が違うのよ」 となる。仕事が忙しいから、やることが多すぎて、今作ると損だから、そんな理由で中年になっていく女性が数多くいる。
しかし、冒頭にも書いたように、女性が子供を産み育てる以上の仕事が本当にこの世にあるのだろうか。 産めるのに産まないなんて、欲しくても病気で産めない人がいる中で、どうしてそんなことが許されるのだろう。 もっと言うなら産めない男たちに申し訳ないとは思わないのだろうか。 女性たちの中で、何かが狂ってるとしか思えない。

恐らくこの僕も含めて、今の日本人は信仰心があまりにかけているのだろう。
生まれてきた神秘、神や仏の存在を、この国の大人は語らない。 と言うより何かが怖くて語れない。 健康な娘たちは何かでそのことを知らなければならない。 親も友人も彼氏も教えてはくれない。
「公の園」はそんな彼女たちのヒントとなる作品にしたいと思って書いたものである。
子供を授かったら勇気を持って、産んで育ててほしい。という母親賛歌の作品である。
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